去年の暮にプリントした時、モニター上の色がほとんど再現できなかったので、キャリブレーションツールを買ってみました。買ったのはi1DISPLAY STUDIOという、カラーマネジメントの初級~中級向けのものです。キャリブレーションしたのは今年の1月ですが、不要不急の外出を控えなければならないので、暇なのでようやく記事にしてみます。
こんな感じのツールです。
パソコンにソフトをインストールしていざスタート!で驚いたのですがね、何がおかしかったかというと…ズバリ!「輝度」でしたよ。この1年ほどの間、届いてから何もいじらない状態で使っていました。そしたらなんと、出荷時の「輝度」は100でした!で、適正は47。どうりで、プリントした時に真っ黒なはずだ。カラーバランス的にはさほど狂ってはいなかったです。たったこれだけで、2万円超の出費は正直痛かった(笑)。
こんな感じに測定後にゲージが適正のところに行くようにします。
測定中はキレイな色です。
輝度が高い状態というのは、写真はキレイに明るく見えました。調整後は若干暗く感じます。これであっているのかいささか不安で、ブログアップ後に会社のモニター(安いもの)や、スマホで明るさの確認をしてみると、青の表現にちょっとクセがあるような気がしています。なかなか難しい。むしろ、RAWそのままでいじらずに出したほうが、キレイに感じることもあります。
撮った写真の色を正しくモニターやプリントで出すのは、なかなか難しいものですね。不要不急の外出を控えるように言われているので、キャリブレーションツールを買って、過去の写真を現像しなおしてみるのもいいかもしれませんね。
余談ですが…画像処理ソフトも進化して、手ごろな値段で撮ってきた写真を誰でも加工することができるようになりました。私はプロではありませんが、プロと仕事をしていたので、写真を撮ってから印刷物になるまでの流れを見ていた経験があります。プロも撮った写真を画像修正しますが(フィルム時代は印刷屋が修正していました)、どうもアマチュアは画像処理をやりすぎてしまう傾向があるようです。せっかくの写真がむしろ破綻してしまっています。やりすぎ注意の3点を下にまとめてみました。
1 コントラストの上げすぎ
→輪郭はキレイになったように見えますが、画面全体が荒くなり中間色のグラデーションがなくなっている。
2 滑らかにするツールの使用
→コントラストを付けたことによる画面の荒れを修正するために使うと、立体感が乏しくなり、写真がイラストになってしまう。
3 光の方向性が分からなくなるほど暗部を上げる
ものが立体的に見えるには、光が必要です。右から当たれば左に影ができて当然ですね。その陰の部分を持ち上げて平均化しすぎると、写真の中にある「空気感」が無くなります。図鑑とアート写真の違いは、そこにあると思います。
写真をみていると、撮った時の撮影者の気持ちを私は感じます。ああ、こういうことに感動したんだなとか。あ、それ、わかるわかるとか(笑)。逆に言うと、面白いものってピンボケでも面白いと思うので、撮った写真の全体のバランスとその時の気持ちが反映されていれば、ほんの少しの補正で伝わると思うんですが、いかがでしょうか。って、プロでもない私が言ってみる(笑)。
コメント
コメントを投稿